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子供の教育について(2/2)

 
◎過当競争時代の学歴

母親達の眼を覚ますために、改めて断言しよう。

 いい高校、いい大学、いい会社

これは大人の方便で、今となっては幻想に過ぎない。

[ 経緯 ]
これは高度経済成長期に学歴コンプレックスを持つ親達が言い出した事である。
当時の経済は右肩上がりに成長し、学歴をベースとした年功序列制度が幅を利かせ、学歴社会と言われた。


バブル崩壊後の過当競争時代では、学歴を重視する企業など存在しない。
にもかかわらず、母親の大半は子供を塾に通わせ、子供を進学させたいと願う。
子供自身がそれを望むケースはともかく、勉強嫌いな子供まで進学させても不幸になる可能性が高い。

以下にその根拠を説明する。

恋愛ドラマの世界では、恋する男女が結ばれて結婚するとハッピーエンドである。
しかし現実の世界では、結婚はゴールではない。二人の家庭を築くスタートである。
「結婚=幸福」ではなく、二人が互いに支え合って幸せになろうと努力し続けることにより、はじめて幸福を手中に出来る。
それを勘違いして「相手に幸せにしてもらう」ことばかり考えると、家庭は崩壊し不幸になる。

これと似たような事は、会社にも当てはまる。
入社はゴールではない。過当競争の生き残りをかけたスタートである。
「大企業に入社=幸福」ではなく、大企業の重圧/責任/しがらみ等を乗り越えて勝ち続けなければ、幸福は手中に出来ない。
それを勘違いして「大企業なら安定だ」などと甘い考えで入社すると、過当競争の現実に着いていけず、短期間で退職に追い込まれたり、鬱になるのがオチである。
(↑大企業を正社員に読み換えても良い)

低学歴者は就職時に不利になるが、昔ほど大きなハンデではない。その程度のハンデを超えられない人は、学歴のハンデが無かったとしても、過当競争に勝ち残れるとは思えない。



◎何故勉強するのか?

過当競争の時代において、学歴は役に立たない。
また、中学以降で学ぶ知識は、社会に出ると殆ど役に立たない。

では、何故勉強するのか?
知識を役立てるコツを掴むために勉強するのである。

今の時代、知識はインターネットから簡単に入手できる。
しかし、知識を役立てる事が出来なければ何の意味も無い。


知識を役立てるにはコツがある。
例えば、数学は公式という知識を役立てて問題をパターン化して解くのがコツである。
しかし、学校の勉強には問題が2つある。

・机上の問題には強いが、現実世界の複雑な問題には弱い
 →社会/経済(コスト)/文化/思想/理論などあらゆる要素を総合的に考えて
  ベストの方法を導き出すことが苦手

・学習速度に追いつけない子に対するフォローが弱い
 →一人一人に合わせたフォローが理想であり、理想に近付ける努力をすべきだが、
  現実問題として社会コスト的な限界はある
 →そもそも勉強嫌いな子を無理にレールに乗せる必要があるのか?



◎理想的な教育の事例

現実世界の複雑な問題に対応できる人物を育てる手法は幾つかある。
ここでは、実在の社会問題を学校教育に取り入れた事例を紹介する。

東日本大震災で大量のガレキが発生し、広域分散処理を図ろうとしたら、賛否両論が噴出して社会問題になった。そこである学校では「自分が自治体首長だったらガレキを受け入れるか?」を命題として生徒達に議論させ、グループ単位で結論を出すよう求めた。

こういう場において、他人の意見に耳を傾け、吸収または反論し、グループの意見集約に積極的に貢献する子供は、将来どのような現場においても主体的に活躍する人物となるだろう。彼らは日本の将来を引っ張る若きリーダー候補であり、このような子供が増えれば日本の将来は明るい。これは活きた教育の好例である。



◎問題点

活きた教育は昔から度々試みられてきたが、なかなか浸透しない。その原因は、これが成績や学歴に一切反映されず、母親達の賛同を得ることが難しい点にある。

母親達にとって、この教育は一般論として好ましいという程度の認識に留まり、実際に我が子の従来型学習時間(国数英理社)を減らしてそちらを強化するとなれば、不安や反対の声が高まる。これが日本の教育にとって致命的なプレッシャーであり、子供達の可能性を閉ざす障害となっている。

実際問題として、従来型の学習時間を減らせばテストの点数や学歴が低下する可能性は高い。しかし過当競争時代において、リーダーシップやコミュニケーション能力を無視する(育もうとしない)従来型の教育思想は、子供の幸福に繋がるだろうか?



◎精神面について

近年の傾向として、精神的に未熟な若者が増えつつある。

・自主性が低い
・ストレスに弱い
・他人の気持ちが理解できず協調性に欠ける
・少しでも理不尽に感じると我慢できない

学力低下よりも、精神面の方が深刻ではなかろうか?

精神面は知識だけで強化されるものではなく、様々な経験(努力/試行錯誤/出逢い/コミュニケーション/成功/挫折など)を通して強化される。

そのためにもやはり活きた教育を重視すべきであり、何よりもまず母親がそのことを理解すべきであろう。



◎まとめ

過度な詰め込み教育による弊害で、勉強嫌いな子供は多い。
それでも親は子供に「勉強しなさい!」と言い、できることなら

 いい高校、いい大学、いい会社

このレールに乗せたいと盲目的に願う。
しかし過当競争時代において学歴など無意味であり、幻想を追い求めるに等しい。

過当競争時代を生き抜く芯の強い子を育てるために、知識詰め込み型の従来教育を脱却し、活きた教育を普及させることが望ましい。しかし学歴を盲信する母親達の賛同が得られず、普及が進まないのが現状である。

教育改革の第一歩は、世間知らずな母親達の眼を覚ますことではなかろうか?

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ジャンル : 政治・経済

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SE(システムエンジニア)として約15年間システム系ソフト会社を勤めあげ、2008年3月退社。現在、ゲーム制作会社設立を目指して活動中。

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